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胴紙に落款

昔から、私達市松人形職人の作る人形の胴紙には、基本的に作者の名前を入れます。(まれに、卸先の人形店の胴紙に代えてしまう事も昔はありました)
裸にするとお腹に巻いてある和紙を「胴紙」と言っています。
ご存知の方も多いと思いますが、この胴紙に示された名前や落款から誰の作かが特定できます。  

以前 平田郷陽さん作の市松人形を修理した事がありました。
一旦手足・頭をばらして組み立て治したところ、 頭・手足・胴体の全てに、外見からでは分からない箇所に郷陽の「郷」の字の印が押されていました。
ここまでしたんだ・・・と、これまた大先輩で郷陽さんの弟子だった”林 陽辰”さんにお聞きした処、当時、「弟さんやお弟子さんが手を加えてない。全て郷陽さんが作ったと言う証だよ」 と教えていただきました。

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上段右が 8年程前頃から使っています印です。
中央と左が、独立した25・6年前に使っていた印です。
上段の印は 過去この3種類しか使った事がありません。
その他 朱肉の落款は 様々種類があり 少々気まぐれに押します。

by meiko-doll | 2009-02-04 08:00 | お知らせ