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伝統の・・【伝】 その2

市松人形人形師 林 陽辰さん(94歳)
残り少なくなった私達市松人形職人の大先輩である。

林さんは代々人形作りをし、若い頃はあの平田郷陽師の下でも修業を積んだ方である。
そんな林さんにとっては私など息子以下の年齢だが、同じ職業を天職と決めた者にとってはまるで生字引な存在で、様々な思い出を語り継いでくれたり、心強い励ましの言葉を下さる大切な存在である

此処にUPした写真は、林さんが郷陽さんの下から一本立ちの後に考案した三つ折れ人形ボディーだが、江戸時代からのそれとは思考が違い、球体関節の作りをゴムを使って組み上げる。
その為動きの様子が二味・三味と変化が付けられて面白い。

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クタちゃんのパーツに似ているが、正座が出来る三つ折スタイル。



4年ほど前の事「俺の人形作りは肉体的に終演の時が来た・・作ってみる気があるならこれで孫型をこさえて作りな」・・「そしたら私も嬉しいよ」と・・・後継ぎのいない林さんの事、有り難く陽辰さん考案の六号の生地を頂いた。

しかし私も職人。同業者の生地原型を使うのは少々抵抗もあり、ちゅうちょしていたが、何年か後、気にして見ると・・・これも【伝】??・・・市松人形職人界を一絡げに考えれば継承の【伝】ではないかと思い始めた。

弟子の明咲は、元ベテランのフィギア原型師で、型を作るのはお手の物である。
早々、林さんの六号の生地を使い孫型を作り生地を抜いてみた。
無論 頭は私のオリジナルを使うが、3月の銀座個展に展示出来たらと2体作り始めている。

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林さん~。  ・・・【伝】・・しますから 見に来て下さいね。

by meiko-doll | 2011-02-01 00:42